PDFのパスワード設定と解除の方法
2026.10.01 更新 · 6分で読めます
源泉徴収票や給与明細のようにパスワード付きで届いたPDFを、わかっているパスワードで解除して提出する方法と、自分のPDFに閲覧パスワードを設定する方法をまとめました。閲覧パスワードと権限パスワードの違いも解説します。
PDFパスワード解除をすぐに使うPDFのパスワードには、ファイルを開くときに求められる閲覧パスワードと、開いた後の印刷や編集を制限する権限パスワードの2種類があります。どちらも、パスワードがわかっていなければ解除できません。また、自分で設定したパスワードを忘れると、自分でもファイルを開けなくなります。この記事では、2つのパスワードの違い、受け取ったPDFをわかっているパスワードで解除して提出用にする方法、自分のPDFにパスワードを設定する方法を順に説明します。
閲覧パスワードと権限パスワードの違い
PDFの仕様では、2つのパスワードをユーザーパスワードとオーナーパスワードと呼びます。画面では、閲覧パスワード・権限パスワードという名前で表示されることが多いです。
| 区分 | 閲覧パスワード(ユーザーパスワード) | 権限パスワード(オーナーパスワード) |
|---|---|---|
| 使う場面 | ファイルを開くとき | かけてある制限を解除・変更するとき |
| 制限するもの | 内容を見ることそのもの | 印刷・編集・コピーなどの操作 |
| このパスワードで開いた場合 | 文書に設定された制限がかかる | 制限なしですべての操作ができる |
qpdfのドキュメントによると、ユーザーパスワードで開いたファイルではPDFアプリが設定された制限を守ることになっており、オーナーパスワードで開いたファイルでは制限に従いません。権限パスワードだけのPDFは、ユーザーパスワードを空にしたファイルなので、誰でも開けます。同じドキュメントは、こうした制限はアプリが守ることによってのみ保たれると説明しています。内容そのものを見られないようにしたい場合は、権限パスワードではなく閲覧パスワードを設定する必要があります。
パスワードがわからなければ解除できません
閲覧パスワード付きのPDFは内容が暗号化された状態で保存されているため、閲覧パスワードか権限パスワードのどちらかがわからなければ解除できません。PDFパスワード解除も、この原則に従っています。
- 追加したときにどのパスワードがかかっているかを確認し、入力したパスワードで1回だけ開きます。パスワードを推測したり、いくつものパスワードを順に試したりはしません。
- 権限パスワードだけのPDFも、その権限パスワードを入力しないと解除できません。開くときにパスワードを求められないからといって、パスワードなしで解除できるわけではありません。
- 閲覧パスワード付きのPDFは、権限パスワードを入力しても解除できます。
- パスワードが違うと「パスワードが違います」と表示されます。大文字・小文字やスペースを確かめて入力し直せば、同じファイルのままもう一度試せます。
パスワードがわからないPDFは解除できません。受け取ったファイルなら、送り主にパスワードを問い合わせるか、ファイルを送り直してもらってください。自分でパスワードを設定したファイルでパスワードを忘れた場合は、パスワードなしの元のファイルを探すしかありません。パスワードを設定するときは、元のファイルを別に保管しておくと安心です。
源泉徴収票や給与明細を提出用に解除するとき
会社などから届く源泉徴収票や給与明細のPDFは、生年月日など送り主が決めたパスワードでロックされていることがあります。一方で、提出先からパスワードなしのファイルを求められたり、複数の書類を1つのPDFにまとめて出す必要があったりします。PDF結合ではパスワード付きのPDFは「パスワード付きのPDFは処理できません」と表示されて対象から外れるため、結合する前に解除しておきます。
- 送り主の案内やメールで、パスワードの決まりを確認します。
- PDFパスワード解除で、そのパスワードを使ってパスワードなしのコピーを作ります。元のファイルは変わりません。
- 複数の書類を1つにまとめて提出する場合は、解除したファイルを結合します。結合前に確認したい点は提出用PDFを結合する前に確認することにまとめています。
解除したファイルは誰でも開けます。個人情報が載った書類は、共有フォルダーや共用のパソコンに残さず、提出が終わったら不要なコピーを削除してください。結果のファイル名は元の名前の後ろに「-unlocked」が付くので、提出先がファイル名を決めている場合は、保存した後で名前を合わせます。
自分のPDFにパスワードを設定する方法
パスワードを設定するなら、AES-256の方式を選ぶのがおすすめです。qpdfのドキュメントは、256ビットの暗号化は常にAESを使い、この方式(R6)はPDF 2.0の仕様にある標準の暗号化方式のうち、非推奨になっていない唯一のものだと説明しています。手元のアプリでも設定できます。
- Word:PDFとして保存するときのオプションで「パスワードで文書を暗号化する」を選ぶと、Microsoft サポートの説明どおり、パスワードを知っている人だけがPDFを開けるようになります。
- Macの「プレビュー」:「ファイル」>「書き出す」で「アクセス権」ボタンをクリックし、「書類を開くときにパスワードを要求」を選んでパスワードを2回入力します。「所有者のパスワード」も入力し、プリントや変更に所有者のパスワードを求めるかどうかもこの画面で決めます。
- PDFパスワード設定:「閲覧パスワード」と「パスワードの確認」に同じパスワードを入力すると、AES-256でロックします。権限パスワードも同じ値にするため、パスワードを入力して開いた人は印刷・コピー・編集をすべて行えます。
3ページのテスト用PDF(2 KB)にPDFパスワード設定でパスワードをかけると、a-3p-protected.pdf(2 KB)ができ、パスワードなしでは開けませんでした。同じパスワードでPDFパスワード解除に追加すると、3ページがそのまま戻りました(Chrome(デスクトップ)で計測。端末やブラウザによって異なります)。パスワードは短いほど推測されやすいので長めにし、ファイルとパスワードは別々の方法で相手に伝えてください。
ZEKILO Studioでの手順
PDFパスワード解除は、このブラウザ内でパスワードを解除します。ファイルと入力したパスワードは端末の外に送信されず、パスワードは保存されません。
- パスワード付きのPDFを1つドロップするか[ファイルを選択]で選びます。かかっているパスワードに応じて「閲覧パスワードを入力してください」か「権限パスワードを入力してください」の入力欄が表示されます。
- わかっているパスワードを入力して[開始]を押します。入力した文字は[表示]で確認できます。
- [ダウンロード]でパスワードなしのPDFを保存します。contract.pdf なら contract-unlocked.pdf として保存されます。
閲覧パスワードと権限パスワードの両方がかかったテスト用PDF(3ページ、2 KB)は閲覧パスワードで、権限パスワードだけのPDF(3ページ、2 KB)は権限パスワードで解除でき、どちらも3ページのパスワードなしのPDF(2 KB)になりました(Chrome(デスクトップ)で計測。端末やブラウザによって異なります)。一度に追加できるPDFは1つで、パソコンでは200 MB、スマートフォンでは50 MB以下をおすすめします。500 MBを超えるファイルは処理しません。
まとめ
- 閲覧パスワードはファイルを開くことを、権限パスワードは印刷や編集などの操作を制限します。内容を守るには閲覧パスワードが必要です。
- パスワードはわかっていなければ解除できません。権限パスワードだけのPDFも、そのパスワードが必要です。
- 受け取った書類を提出用に解除したら、解除したコピーを慎重に扱い、不要になったら削除します。
- 自分のPDFにはAES-256で閲覧パスワードを設定し、忘れると開けなくなるため、元のファイルとパスワードを別に保管します。