報酬の源泉徴収10.21%の計算方法と手取りの逆算
2026.09.28 更新 · 4分で読めます
原稿料やデザイン料などの報酬から差し引かれる源泉徴収税10.21%の内訳と計算方法を、10万円・150万円の例で解説します。消費税を区分した請求書の扱いや、手取り額から報酬額を逆算する方法もまとめました。
源泉徴収税計算ですぐに計算するフリーランスで原稿やデザインの仕事を受けると、請求した金額より少ない額が振り込まれることがあります。10万円を請求して89,790円が入金されたなら、差額の10,210円は源泉徴収された所得税などです。この記事では、報酬から差し引かれる源泉徴収税の計算方法と、消費税を区分した請求書の扱い、受け取りたい手取り額から報酬額を逆算する方法をまとめます。
源泉徴収の対象になる報酬
国税庁 No.2792では、個人に支払う報酬のうち、原稿料や講演料、弁護士・公認会計士・司法書士などの特定の資格を持つ人への報酬、モデルや外交員への報酬などが源泉徴収の対象として挙げられています。支払う側(源泉徴収義務者)が報酬から税金を差し引いて国に納め、残りを支払います。
謝礼や取材費、車代などの名目でも、実態が原稿料や講演料と同じであれば源泉徴収の対象になります。一方で、試験問題の出題料や答案の採点料は原稿料に含まれないとされています。
税率10.21%の内訳
報酬の源泉徴収税率は、所得税10%に復興特別所得税を加えた合計税率10.21%です。復興特別所得税は所得税額の2.1%なので、10% × 102.1% = 10.21%になります。
国税庁の説明では、令和9年(2027年)1月1日以後は防衛特別所得税1%と復興特別所得税1.1%に変わりますが、合計税率2.1%は変わらないため、源泉徴収税額の計算方法は変わりません。
源泉徴収税額の計算式
100万円以下:報酬額 × 10.21%
100万円超:(報酬額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円
計算した税額に1円未満の端数があるときは切り捨てます。100万円を超える場合も、100万円までの部分は10.21%のままで、超えた部分だけが20.42%になります。102,100円は100万円 × 10.21%の額です。
| 報酬額 | 源泉徴収税額 | 差引支払額 |
|---|---|---|
| 50,000円 | 5,105円 | 44,895円 |
| 100,000円 | 10,210円 | 89,790円 |
| 1,000,000円 | 102,100円 | 897,900円 |
| 1,500,000円 | 204,200円 | 1,295,800円 |
150万円の報酬は(1,500,000 − 1,000,000)× 20.42% + 102,100 = 204,200円で、国税庁 No.2795の計算例と同じです。
消費税を区分して請求する場合
国税庁の説明では、報酬の額に消費税等の額が含まれている場合、原則として消費税等を含めた金額が源泉徴収の対象です。ただし、請求書等で報酬の額と消費税等の額が明確に区分されていれば、報酬の額だけを源泉徴収の対象としても差し支えないとされています。インボイス制度の開始後も、この取扱いは変わっていません。
報酬10万円に消費税1万円を加えて請求する例で比べてみます。
- 区分しない(110,000円全体が対象):110,000 × 10.21% = 11,231円、差引支払額98,769円
- 区分する(報酬額100,000円だけが対象):100,000 × 10.21% = 10,210円、差引支払額99,790円
請求書で報酬額と消費税の額を分けて書くと、源泉徴収税額が消費税の分だけ少なくなります。
手取り額から報酬額を逆算する
「手取りで10万円ほしい」というように、差し引かれた後の金額で報酬を決めることもあります。国税庁のQ&Aでは、手取契約の場合の支払金額を次の式で求めるとされています。
手取額 ÷ 0.8979 = 支払金額
手取額が897,900円を超える場合:(手取額 − 102,100)÷ 0.7958 = 支払金額
手取り10万円なら、100,000 ÷ 0.8979 = 111,370.97…で、報酬額は111,370円です。源泉徴収税額は111,370 × 10.21% = 11,370.877 → 11,370円なので、111,370 − 11,370 = 100,000円がちょうど手取りになります。手取り100万円なら(1,000,000 − 102,100)÷ 0.7958 = 1,128,298.56…で、報酬額1,128,298円、源泉徴収税額128,298円です。
消費税を区分して請求する場合は、消費税も上乗せされるため報酬額はもっと小さくなります。手取り10万円なら報酬額100,210円、消費税10,021円、請求額合計110,231円で、源泉徴収税額10,231円を差し引くと100,000円です。
注意点
- 報酬の種類によっては計算方法が異なるものがあります。1回50,000円以下の懸賞の賞金のように、源泉徴収をしなくてもよい場合もあります。
- この記事の計算は No.2795(原稿料や講演料等)の計算方法によるものです。実際の支払額は、請求書の書き方や消費税の端数処理によって異なる場合があります。
まとめ
- 報酬の源泉徴収税額は、100万円以下なら報酬額 × 10.21%、100万円を超える部分は20.42%で、1円未満は切り捨てます。
- 請求書で消費税を明確に区分すれば、源泉徴収は報酬額だけにかけられます。
- 手取り10万円にしたいときの報酬額は111,370円、手取り100万円なら1,128,298円です。
計算結果は参考値であり、税務・法律上の助言ではありません。正確な金額は関係機関または専門家にご確認ください。
報酬額や受け取りたい手取り額を入れるだけで、源泉徴収税額と差引支払額を確認できます。源泉徴収税計算で実際の金額を計算してみてください。消費税の計算には消費税計算も使えます。