元利均等・元金均等・期日一括で利息総額はどれだけ違う?
2026.09.28 更新 · 5分で読めます
3,000万円を年1.5%・35年で借りると、利息総額は元利均等が8,579,289円、元金均等が7,893,707円です。期日一括を含む3つの返済方法の計算のしくみと、初回の返済額や最終回の金額が変わる理由を計算例で解説します。
ローン返済計算ですぐに計算するローンを借りるときは、金利だけでなく返済方法によっても支払う利息の合計が変わります。3,000万円を年1.5%・35年で借りる場合、元利均等と元金均等の利息総額の差は685,582円です。毎月は利息だけを支払い、最後に元金をまとめて返す期日一括では、利息総額はさらに多くなります。この記事では、3つの返済方法の計算のしくみと利息総額の違いを計算例で整理します。
3つの返済方法
住宅金融支援機構は、元利均等返済を「毎月お支払いいただく返済額が一定となる返済方法」、元金均等返済を「毎月お支払いいただく返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法」と説明しています。全国銀行協会も、住宅ローンの返済方法として「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つを挙げています。
- 元利均等:元金と利息を合わせた毎月の返済額が一定です。
- 元金均等:毎月返す元金が一定で、そこに残高に応じた利息を上乗せします。返済額は毎月少しずつ減ります。
- 期日一括:毎月は利息だけを支払い、最終回に元金の全額を返済します。
利息は残っている元金にかかる
3つの方法の違いは、「利息は、その時点で残っている元金(残高)にかかる」という1つのしくみから生まれます。
月利 = 年利 ÷ 12
各回の利息 = 前回の返済後の残高 × 月利(1円未満を四捨五入)
元利均等:毎月の返済額 = 借入金額 × 月利 × (1 + 月利)^回数 ÷ ((1 + 月利)^回数 − 1)
元金均等:毎月の元金 = 借入金額 ÷ 回数
3,000万円を年1.5%で借りると、1回目の利息は30,000,000 × 1.5% ÷ 12 = 37,500円で、どの返済方法でも同じです。違いが出るのは2回目以降です。元金を早く返すほど残高が早く減り、次の回の利息も少なくなります。反対に、元金を返すのが遅いほど、利息がかかる残高が大きいまま長く残ります。
例:3,000万円・年1.5%・35年
借入金額30,000,000円、年利1.5%、返済期間35年(420か月)で3つの方法を比べると、次のようになります。
| 返済方法 | 初回の返済額 | 最終回の返済額 | 利息総額 | 総返済額 |
|---|---|---|---|---|
| 元利均等 | 91,855円 | 92,044円 | 8,579,289円 | 38,579,289円 |
| 元金均等 | 108,929円 | 71,338円 | 7,893,707円 | 37,893,707円 |
| 期日一括 | 37,500円 | 30,037,500円 | 15,750,000円 | 45,750,000円 |
利息総額は元金均等が最も少なく、元利均等はそれより685,582円多くなります。期日一括は35年間ずっと3,000万円の全額に利息がかかるため、毎月37,500円の利息を420回支払い、利息総額は15,750,000円です。全国銀行協会が住宅ローンの返済方法として挙げているのは元利均等と元金均等で、期日一括はここでは比較のために同じ条件で計算した値です。
1回目の返済額の内訳
1回目の返済額を元金と利息に分けると、違いがどこから生まれるのかがわかります。
- 元利均等:91,855円 = 利息37,500円 + 元金54,355円、残高29,945,645円
- 元金均等:108,929円 = 元金71,429円 + 利息37,500円、残高29,928,571円
- 期日一括:37,500円 = 利息37,500円、残高30,000,000円
元金均等の毎月の元金は、30,000,000 ÷ 420 = 71,428.57… → 71,429円です。1回目の利息はどの方法でも37,500円なので、元金均等は初回の返済額が元利均等より17,074円多い分、元金も17,074円多く減ります。
元金均等の返済額が元利均等を下回る時期
元金均等の返済額は毎月少しずつ減り、193回目(91,786円)で初めて元利均等の91,855円を下回ります。返済開始から16年間は、元金均等のほうが毎月の返済額が多いということです。
全国銀行協会は元金均等返済について「返済開始からしばらくの間は毎回の返済額が多く(負担が大きく)なります」と説明しています。住宅金融支援機構も、元金均等返済は返済開始当初の返済額が最も高いため当初の返済負担が重く、借入時に必要な収入も高くなるとしています。
返済期間が短いと差は小さくなる
返済方法による利息総額の差は、返済期間が長いほど大きくなります。1,000万円を年5%・12か月で返済する場合を見てみましょう。
| 返済方法 | 初回の返済額 | 最終回の返済額 | 利息総額 |
|---|---|---|---|
| 元利均等 | 856,075円 | 856,073円 | 272,898円 |
| 元金均等 | 875,000円 | 836,809円 | 270,833円 |
| 期日一括 | 41,667円 | 10,041,667円 | 500,004円 |
元利均等と元金均等の利息総額の差は2,065円にとどまります。一方、期日一括は12か月間ずっと1,000万円の全額に利息がかかるため、利息総額は500,004円と最も多くなります。
全国銀行協会は、返済期間は長くするほど「毎回の返済額が少なくなりますが、その分、利息負担は重くなり、トータルの総返済額が増えてしまう点には注意しましょう」と説明しています。返済方法だけでなく、返済期間を変えたときの利息総額もあわせて確認すると違いがわかりやすくなります。
最終回の返済額がほかの回と違う理由
3,000万円・年1.5%・35年の元利均等では、毎月91,855円に対して最終回は92,044円で、189円多くなります。各回の利息と返済額を1円単位に丸めて確定するため、1円未満の差が回ごとに積み重なるからです。ローン返済計算では、この差を最終回で残りの元金をすべて返済する形で精算します。そのため、元金の合計は借入金額とぴったり一致し、最終回の金額だけが少し変わります。
実際のローンと異なる点
- 日割り計算と端数処理:このツールは毎月の利息を年利 ÷ 12で計算しますが、実際のローンでは利息を日数に応じて日割りで計算したり、金融機関ごとに1円未満の端数処理が異なったりすることがあります。
- 変動金利:入力した年利が返済期間の最後まで変わらない固定金利として計算します。
- ボーナス返済・繰り上げ返済・据置期間:計算に含めていません。
- 諸費用:団体信用生命保険の保険料、保証料、事務手数料などは含みません。
この記事は返済方法ごとの計算のしくみを説明するもので、借入れや特定の返済方法を勧めるものではありません。正確な返済額は、借入先の返済予定表で確認してください。
まとめ
- 各回の利息は「前回の返済後の残高 × 年利 ÷ 12」なので、元金を早く返すほど利息総額は少なくなります。
- 3,000万円・年1.5%・35年では、利息総額は元金均等7,893,707円、元利均等8,579,289円、期日一括15,750,000円です。
- 利息総額が少ない方法ほど返済初期の負担が大きく、期日一括は毎月の負担が最も小さい代わりに、最終回に元金の全額を返済する必要があります。
借入金額・年利・返済期間を入れて返済方法を切り替えると、3つの方法の毎月の返済額と利息総額をすぐに比べられます。ローン返済計算で実際に計算してみてください。毎月の積立で満期にいくら受け取れるかを知りたいときは、積立預金計算も使えます。