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金融

積立預金の利息はなぜ少なく見える?単利・月複利と税金

2026.09.28 更新 · 5分で読めます

毎月3万円を年0.4%で36か月積み立てると、税引前利息は元本合計108万円の3年分の12,960円ではなく6,660円です。積立預金の利息の計算方法、単利と月複利の差、税金20.315%の内訳を計算例で解説します。

積立預金計算ですぐに計算する

積立預金で「年0.4%」と聞くと、毎月3万円を3年間積み立てたときの利息は、元本合計108万円に0.4%を3年分掛けた12,960円くらいになりそうに思えます。ところが実際に計算すると、税引前利息は6,660円、税金を引いた税引後利息は5,308円です。年利の表示が低いわけではなく、積立預金は毎月少しずつ預け入れるため、積み立てたお金ごとに利息がつく期間が違うからです。この記事では、積立預金の利息の計算方法と単利・月複利の違い、利息にかかる税金を計算例で整理します。

積み立てたお金ごとに利息がつく期間が違う

全国銀行協会によると、金利は一般に「年利=1年あたりの利率」を意味します。積立定期預金については「満期までの金利は、積み立てごとに確定します」と説明しています。積立預金計算では、毎月初めに同じ金額を積み立て、最後の積立から1か月後を満期として計算します。このとき、n回の積立のうちk回目のお金には(n − k + 1)か月分の利息がつきます。

毎月3万円・年0.4%・単利の場合、3万円につく1か月分の利息は30,000 × 0.4% ÷ 12 = 10円です。積立の回ごとに見ると、次のようになります。

積立の回 利息がつく期間 税引前利息
1回目 36か月 360円
2回目 35か月 350円
3回目 34か月 340円
… … …
35回目 2か月 20円
36回目 1か月 10円
合計 666か月分 6,660円

利息がつく期間を合計すると36 + 35 + … + 1 = 666か月分(36 × 37 ÷ 2)で、10円 × 666 = 6,660円です。平均すると積み立てたお金を預けている期間は18.5か月で、36か月の約半分です。元本合計108万円の全額を最初から3年間預けたと考えた12,960円に比べ、利息がおよそ半分になるのはこのためです。

単利と月複利

全国銀行協会は、単利は「当初預け入れた元本に対してのみ利息がつきます」、複利は「一定期間ごとに支払われる利息を元金に組み入れて計算する方式です」と説明しています。月複利の積立預金では、毎月の利息を元本に組み入れて次の月の利息を計算します。

単利:税引前利息 = 毎月の積立額 × 年利 ÷ 12 × n × (n + 1) ÷ 2
月複利:税引前利息 = 毎月の積立額 × (1 + i) × ((1 + i)^n − 1) ÷ i − 毎月の積立額 × n(i = 年利 ÷ 12)
税金 = 税引前利息 × 税率(1円未満を切り捨て)
満期受取額(税引後) = 元本合計 + 税引前利息 − 税金

nは積立回数(積立期間の月数)です。毎月3万円・年0.4%・36か月・課税20.315%で2つの方法を比べると、次のとおりです。

項目 単利 月複利
元本合計 1,080,000円 1,080,000円
税引前利息 6,660円 6,686円
税金 1,352円 1,358円
税引後利息 5,308円 5,328円
満期受取額(税引後) 1,085,308円 1,085,328円

月複利の税引前利息は6,685.97… → 6,686円で、単利との差は26円、満期受取額の差は20円です。全国銀行協会は「短期間の運用前提の金融商品の場合は、あまり大きな差になりません」としたうえで、運用期間が長くなると単利と複利の利息収入の合計額の差も大きくなると説明しています。積立預金計算では、預けている商品の利息の計算方法に合わせて単利か月複利を選びます。

利息にかかる税金20.315%

国税庁の説明では、預貯金の利子は原則として、支払を受ける際に利子所得の金額に一律15.315%(ほかに地方税5%)の税率を掛けた所得税および復興特別所得税が源泉徴収され、これで納税が完結する源泉分離課税の対象です。15.315%と5%を合わせた20.315%が、積立預金計算の「課税 20.315%」です。全国銀行協会も、広告などに表示されている金利は「税引き前金利」あるいは「表面金利」と区別して呼ぶことがあると説明しています。

先ほどの単利の例では、税金は6,660 × 20.315% = 1,352.979円で、1円未満を切り捨てて1,352円です。税引後利息は6,660 − 1,352 = 5,308円、満期受取額は1,080,000 + 5,308 = 1,085,308円になります。「非課税」を選ぶと税金は0円で、満期受取額は1,086,660円です。

国税庁によると、令和8年度税制改正で防衛特別所得税が創設され、令和9年(2027年)以後に適用されますが、防衛特別所得税と復興特別所得税の合計税率に変更はありません。また、障害者等の少額貯蓄非課税制度(いわゆるマル優)や、勤労者財産形成住宅貯蓄・勤労者財産形成年金貯蓄の利子非課税制度など、一定の要件を満たすと利子が非課税になる制度もあります。対象になるかどうかは、預入先の金融機関や国税庁の説明で確認してください。

実際の源泉徴収では税目ごとに税額を計算して端数処理するため、このツールの税金と数円異なることがあります。

目標額から毎月の積立額を逆算する

受け取りたい金額が決まっているときは、必要な毎月の積立額を逆算できます。3年後に税引後100万円を受け取りたい場合、年0.4%・36か月・単利・課税20.315%では毎月27,642円で、満期受取額の見込みは1,000,003円です。

積立額は1円単位でしか決められないため、税引後の満期受取額が目標額以上になる、1円単位で最小の積立額を求めます。そのため、見込み額は目標をわずかに上回ります。1円少ない27,641円では満期受取額が999,966円となり、目標に届きません。

実際の積立預金と異なる点

  • 満期日:全国銀行協会の説明では、積立定期預金は「積み立て期間が終了して、据え置き期間を経過した日が満期日になります」。このツールは最後の積立から1か月後を満期とし、据え置き期間は計算に含めていません。
  • 利息の計算方法:商品や預入期間によって、複利の単位などの利息の計算方法や金利の適用方法が異なることがあります。
  • 預入日と中途解約:預入日による日割り計算や、中途解約した場合の利息には対応していません。
  • 税金の端数処理:税目ごとの計算・端数処理により、数円異なることがあります。

この記事は積立預金の利息の計算方法を説明するもので、預金商品の選択や資産運用を勧めるものではありません。実際の満期受取額は、預入先の金融機関で確認してください。

まとめ

  • 積立預金は後から積み立てたお金ほど利息がつく期間が短く、36か月なら毎月の積立額に対して666か月分の利息がつきます。
  • 毎月3万円・年0.4%・36か月・単利では、税引前利息6,660円、税金1,352円、満期受取額(税引後)1,085,308円です。
  • 月複利は利息にも利息がつくため単利より少し多くなり、税金20.315%は所得税及び復興特別所得税15.315%と地方税5%を合わせた税率です。

毎月の積立額・年利・積立期間を入れると税引後の満期受取額を、目標額を入れると必要な毎月の積立額をすぐに計算できます。積立預金計算で実際に計算してみてください。ローンの返済方法による利息の違いを知りたいときは、ローン返済計算も使えます。

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出典と基準

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